堤聖也選手と穴口一輝選手の年間最高試合について

やはり年間最高試合にふさわしい

堤聖也選手と穴口一輝選手の試合でしたが、とても素晴らしい、ボクシングファンとして盛り上がる試合でした。

そしてご存じの通り、穴口選手は帰らぬ人となりました。この試合が年間最高試合に選ばれたことに対して、総合格闘技青木真也選手が「年間最高試合が死亡事故なのはその競技を疑わざるをえないと思うんですよね」と意見を述べました。続いて「事故が起こった試合を評価対象に挙げてしまうことに対する違和感ですよ。安全に対する意識が低いのはいかんと思います」としている。

この件に関して井上尚弥選手は「年間最高試合に選ばれたのは穴口選手へのエールでもあったと思います。 受賞された40分後に息を引き取ったと聞いてますので皆さんには誤解だけはして欲しくないと思います」としました。井上選手の意見ももっともだと思います。

 

ただ、個人的に思うのは、井上選手は時間ラグを気にされたような面もある発言でした。しかし、時間だけじゃなく、結果として穴口選手がお亡くなりになったとしても、その試合が素晴らしい試合なら堂々と年間最高試合に選ぶべきじゃないかと思いました。

 

ボクシング選手は(ボクシングに限らず青木選手がやっている総合格闘技やその他のムエタイ等の格闘技も同様でしょうが)、命というリスクを承知で戦ってます。その力量と成果はリングの上が全てであって、それ以外にないように思います。この試合が最高の試合だったら、選手が亡くなっても最高の試合だったと称号を贈ることがあっても私としては違和感はありません。

 

逆に、堤選手の立場に立ってみても、あれだけの素晴らしい試合を行い、そして勝ったのです。公明正大でルール違反は何もありませんでした。でも、相手が不慮の事故となってしまったから「評価対象外」とするのでしょうか?それは違うと思います。

 

この事故の結果が穴口選手の死としても、この試合を年間最高試合にすることは堤選手、穴口選手に対して何の非礼もなく、問題がない事だと思います。

 

もちろん、さらなる再発防止に日本ボクシングコミッションも動いてます。当然だと思いますし、様々な議論があるべきだと思います。

 

ただ、私は堤選手と穴口選手に最高試合としてふさわしい試合だったと拍手を送りたいと思っています。

 

堤選手を応援しつつ、心より穴口選手のご冥福をお祈りしたいともいます。素晴らしいファイトでした。ありがとうございました。